2012/05/20

そのモノの作られ方を想像する

最近は会社でも、鉛筆を使って仕事をしている。特に理由は無いが、鉛筆を削っている間のちょっとした時間が頭を冷静にする良いきっかけになっている。 

僕は基本的には6Bの濃さの鉛筆を使っているのだが、余り力をかけずに紙にコピーやデザインラフなどを書くことができてとても気持ちがいい。
ただ、普通の鉛筆だけでは仕事にならないので、上がってきた印刷物の修正指示などに、赤青鉛筆も使っている。

さて、いつものように赤青鉛筆を使っていた時のことだ。
ケースに入れずに持ち運ぶことも多いので、青鉛筆部分の軸に傷が付いてしまっていた。別にたいした傷ではないのだが、何か引っかかったのでよく見てみると、傷の部分が赤くなっていた(写真)。


さらによくよく見ると、削った境界からも、赤い色が僅かに見えている。
ここから、この赤青鉛筆は、最初に軸全体を赤く塗った後、青い芯が入っている側半分だけを、青く上塗りしているということが分かる。

確かに二つの色をそれぞれ半分ずつ塗るよりも加工が簡単だし、赤→青の順で塗れば、重ね塗りによる色変化の影響もほとんどないだろう。

このように、傷や綻びの部分から、そのモノがどのように作られたのか想像するのは、様々な人がモノを作るために行った創意工夫が露になる瞬間は、とても尊い。