以前撮った写真を整理していたら、気になるものが出てきた。
この写真は、とある居酒屋の伝票だ。何でこんなものを写真に撮ったのだろうと、よくよく見てみると、「お通し」の項目がMとLで何故か二種類ある。
これを見て、ようやく、何で撮ったのか思い出した。
別にこの店では「お通し」が食べ物として二種類あるわけではない。実はこの伝票は「お通し」の項目を参照することで、後で「客が何人であったか」と「男女構成」が分かるようになっているのだ。
この日は男が2人、女が1人の3人で店に入った。確かに伝票の「お通し」を見ると、M(ale)が2、F(emale)が1と表記されている。
データの取り方として、このように特別な入力欄を作らず、既存の注文を取るワークフローの中に突っ込んでしまおうという考え方は、とても面白い。
商売をしようという側からすると、こういった情報は非常に重要だ。おそらく人数と男女構成と、入店時間・曜日、そして頼んだメニューというのは合わせて解析しているはずだ。その結果が新しいメニューやロスの無い食材の発注等に活かされているのだろう。
そして、このようなことを面白いと思うと同時に、こうやって知らず知らずのうちに日常の生活の中で多くの情報が取られているということもまた垣間見える。
個人情報とは、私達が意識して記入したりするものだけでない。あらゆる行動が全て、個人情報になる。そしてこういった無意識に取られる行動・行為の個人情報こそが、誰も気づいていない新しいビジネスのチャンスにも新しい犯罪の温床にもなる可能性がある。
無意識であるということは、その両面があるということだ。