2011/07/31

認知の優先順序

また、見かけたので写真に撮った。



上の写真は、近所のファミレスの前にあったのぼりを、裏側から撮ったものである。どう読めるだろうか。

おそらく「うなぎさらし」と読んでしまうのでは無いだろうか。文字が反転していても、造作も無く読めていたにもかかわらず、「ち」だけが反転文字としてではなく、「さ」という正しい向きの文字認識を優先してしまったということになる。

実は数年前にも同様の事例(下の写真)を見かけていた。今回と「ち」と「さ」が逆になっているが、「より正しい字形で読める方を優先する」という認知の優先順序は同じだ。



もちろん、優先順序があるのは、文字の認知だけでは無い。下の画像は、また別の「認知の優先順序」を意識させる例だ。顔を隠す一本一本の手よりも、手に描かれている眼、口、耳によって一つの顔として見ることを優先してしまう。

この話のポイントは、自分自身の意図とは関係なくある優先順序に基づいて、情報を勝手に認知させられているってとこだ。普段の暮らしの中で、私たちが無意識に認知させられている情報は相当多いはずだ。それを些細な出来事から一つ一つ丹念に探して行くことで、新しい表現方法を生み出すヒントが見つかるかもしれないとも考えている。

この日記でも、見つかるたびに、実例と合わせて紹介していきたいと思っている。