2011/09/02

異常のデザイン

昼休みに同僚たちと昼食を食べに行った帰りのこと、午後進める仕事について話をしながら歩いていた。
会社の前を走る大きな道路を渡ろうとした時、突然一人が話をやめて、立ち止まった。

あまりに突然のことでビックリしたため、慌てて「!?」と何度か振り返って初めて、なぜ急に止まったのかようやく把握した。立ち止まった場所は、日陰になっている場所だったのだ。


今日は日差しがとても強く、横断歩道の周りには全く日陰がない。この信号の長い待ち時間をできるだけ快適に過ごすため、少し手前の日陰で立ち止まったのであった。

理由が分かってホッとすると共に、自分に普段とは違う注意を引き起こさせた今の状況について、思い返していた。
もし徐々に声が小さくなっていったのであれば、ここまで注意は引き起こされなかったであろう。
突然会話が止まったことで、会話をしていたさっきまでの状態とのあまりの落差の大きさに「異常な状態」とショックを受け、注意が引き起こされたのでは無いだろうか。

例えば、ジェットコースターやお化け屋敷、ゲームなどは「異常な状態」が出現する状況を演出として組み込むことでエンタテインメントとしての価値を高めている。
言い換えると、人間の心理変化ギャップのデザインをするということだ。
もっとも効果的に「異常な状態」を作り出すためにはどこで引けばいいのか考えるのは、結構楽しそうだ。