朝から暑い日が続くため、吹き出る汗と戦う日々が終わらない。朝食を食べ、乗り遅れないように急いで駅に行くともう汗だくだ。
ホームに行くと、何故かある一区画だけサラリーマンの密度が明らかに高い。不思議に思って近づいて、よく観察してみると、ホーム用の巨大なクーラーの風が当たる位置に溜まっているようだ。(写真)
サラリーマンたちの行動がクーラーによって制御されている。
こう書くとかなり特別なことのように思えるが、環境によって行動が規定されることなんて、身の回りに溢れすぎていて、何ら特別なことではない。
歩道一つとっても、歩く場所が事細かく(ルールではなく例えば段差のような構造として)決められているし、店に入れば、計算し尽くされた商品の陳列や導線によって、自分の購買欲を刺激される。
自由に行動しているつもりでも、私たちは知らず知らずのうちに、見えない何か(それは往々にして誰かの意図に基づくのだけど)に行動を規定されている。
そういった見えない何かを敢えて可視化させて、擬似創発体験ができるような展示やテーマパークみたいなものがあると、とても楽しいのではないか。
ということを、クーラーをサラリーマンに占拠され風を受けることができず、汗だくの状態でホームで地下鉄を待ちながら考えていた。