今日、2年ほど準備してきた商品がついに発売される。
子どもや母親の生活から、新しい市場形成のチャンスを見出し、コミュニケーション戦略をまとめ、仕様やデザインに落とし込み、具現化の際のコスト・機構上の問題を乗り越えながらようやく発売に至る。
かなり入念な準備を積み重ねて「絶対に売れる!」という確信をもって発売するわけだが、正直なところ、発売してみないと本当に成功するのかわからない。
結局のところ、「絶対」なことなんて存在しないのだ。市場に委ねるとはそういうことだ。
「じゃあ、そんなに論理的に緻密に入念に組み立てる必要なんてあるのか?結局ギャンブルなんだから同じじゃないのか?」と思う人もいるかもしれないが、それは違う。
緻密に戦略を構築していくということはつまり、「何をして何をしなかったか」ということをその判断理由も含めて明確にしておくということだ。
そうすれば、もし、失敗してしまったとしても「何故失敗してしまったのか」考える際の重要なヒントを得ることができる。どの判断と判断に至るまでのプロセス、根拠に問題があったのか、明らかにすることができる。
ここまでして初めて、「失敗」を「経験」にすることができる。
ただ闇雲に繰り返しても、何も知見として定着しない。それは経験にならない。ただ無駄に自分と周りの人生を浪費しただけだ。
だから、今度の商品も、もしかしたら失敗してしまうかもしれない。でも、たとえ失敗したとしても、それを経験に変えるだけの準備を十分にしてきたという自信だけはあるし、そこまでやってこれたことに、今は、とても満足している。
その上であわよくば、この国の子どもたちと母親に商品が受け入れられて、新しい喜びを与えることができればと願っている。