今日は、いくつか美術館やギャラリーをまわって、久しぶりに展示を見た。
ここ一ヶ月程、色々忙殺されており、週末に展示を全くみることができていなかった。
大学院を修了して働き始めてから、「インプット」というものをかなり意識して行動に移した。
本来そんなに計画的に行動するタイプでは無いのだが、これだけは本当にかなり意識した。
ただのサラリーマンに自分がなってしまうことが、怖かったのだ。
「家と会社の往復で一日が(ほぼ)終わってしまい、週末はダラダラ寝て家事をやって終わり」といった生活は、イメージしやすい独身男性サラリーマンの生活であるが、自分の未来はそこからは生まれないというのは最初からハッキリ分かっていたので、生活から変えなければいけないと思っていた。
当時は今のような生活になるとは全く想定していなかったから。
働き始めて最初の一年で、ほぼ毎週末何かを見に行っていた気がする。たぶん100以上は見たと思う。
知識も何もないので、ひたすらwebを見て、気になったサムネイル画像の展示は全て行った。
これを数年続けると何が起こるか。
レコードのジャケ買いのようにサムネイルだけで、自分好みのものかどうかほぼ分かるようになり「ハズレ」を引かなくなる。
経験っていうのは馬鹿にできないものだ。
(展示以外にも働き始めてから意図的に行っているインプットは結構あるのだが、それはまたの機会に。)
さて、いつも展示を観る時は、その作品が「新しい世界を作り出せているかどうか」をかなり意識して観ている。
「新しい世界」とは、私たちが生きているこの世界の理(ことわり)とは異なるルールで成立している世界だ。
作家が定めたそのルールに意外性があったり、厳格にルールを定義できている世界は、強く、とても魅力的だ。
言い換えると、作家の仕事とは「世界を定義すること」なのではないだろうか。手法やメディアとは関係なく、自分の中の理想化する世界を描き、具現化する。
僕らは彼らの描く、想像力豊かな新しい世界を求めて、街に出る。