2011/08/07

髪を切る

髪を切った。特に髪型にこだわりがあるわけでは全く無いので、「なんとなくこのあたりをサッパリさせたいのです(後頭部周辺を指さしながら)」という非常に曖昧なことだけ言って、あとはお任せでやってもらっている。

切ってもらう間、自分のことを聞かれたりするのが嫌なので、いつも逆にこっちから話しかけるようにしている(攻めの姿勢)。
話の内容は主に、今、散髪をしている行為自体についてだ。
「何を考えて切っているのか」
「最終的なゴール(髪型)は既に見えているのか」
「人によって全く頭の形が違うだろうが、頭を空間としてどのように捉えているのか」
など、執拗に聞いていく(別に誰かを指名してるわけでもないので、いろんな人に同じ質問をしている)

こういうことを聞くといつも、「こんなこと聞かれたことないです」と苦笑しながらも、自分の言葉でなんとか説明しようとしてくれる。

共通していたのは、とにかく最終的なゴールのイメージがまずあって、目の前の髪とイメージの差分をとって、近づけているという作業をしていることだ。やりながらイメージを練るみたいなことは無い。ゴールがまずあって、そこに最短で辿り着くために技術を使っている。

当たり前の話に思えるが、これはとても大事なことだ。
ゴールが具体的に設定されているってことは「必ず終われる」ということ。
逆に、完成形が明確に見えていないと決して終わることはできない。終わりが定義できないのだから、当然だ。

つまり、何かを始める時には「どうなったら目的が達成されるのか(終わらせられるのか)」という条件をまず具体的に定めることが、最も重要なのだ。

それが無いまま始めると、確実に迷走する。
例えそれがクライアントワークでない、個人のプロジェクトだとしても、明確に目的達成条件を最初に定めるべきだ。
「せっかく自由にできるのに〜」と義務的な感じがして抵抗感を抱くかもしれないが、目的達成条件を定めることが自分のプロジェクトに緊張をもたらし、結果的にアウトプットのクオリティも上がる。
「自由」に溺れないように。