撮影させてもらった子(のお母さん)にモデル代を支払うための事務処理作業をしていた。
事務所に所属していない、一般の子なので領収書を書いて送ってもらうのだ。
その時に書き漏れやミスが無いように、付箋で注意書きをつけておくのだが、自分で書いてて少し奇妙なことがあった。
日時を記入してもらうところに、下の写真のような付箋を貼った。
領収書を発行したこちらの日付より前の日付は書かないでくださいねということに加え、忘れずに記入して下さいということも言いたかったのだが、文章が長く分かり難くなってしまうので、無意識にこの文を書いていた。
よくよく考えてみると、この文章は奇妙だ。
この文章が書かれたのは「今日」、8/24なのだが、これを受け取った人が見て記入する時の「今日」は8/25以降になる。
「今日」という相対的な日付指定をしているため、書かれる日付は異なるが、意味的には全く正しいという奇妙な現象が起こってしまったのだ。
もしこれが絶対的な日付指定だった場合「8/25と書き込んでください」みたいなことになる。
これでは、いくら確実性が高いとはいえ、強制的に書かされている気持ちも生まれるだろうし、本来の日付記入の意味からも外れたことになってしまう。
一見曖昧かもしれないが、敢えて相対的な言葉を使うことで、書くがわは自分の意志を持って書くことができるし、書いてもらう側も欠かしてはいけないポイントは確実に抑えられるコミュニケーションができる場合もあるのだ。
「相対的・絶対的」な言葉の使い方は非常に興味深い。上手く使うと新しいコミュニケーションの方法が捕まえられるかもしれない。