2011/08/26

Rewards / Dynamic Information Design

今日は、仕事でまとまった数の郵便物を送る必要があったので、その発送作業をしていた。

封筒にラベルを貼り、紙を三つ折りにし、封筒に紙をいれ、封筒に封をするという極めて単純な作業だが、とにかく量がある。
こういう単純作業をやっていると、いつも必ずストレスになるところが出てくる。例えば、前後の作業の流れと封筒の位置や向き等が噛み合わず、無駄な動きが増えイライラしてくる。

ストレスになる度、配置を調整していくのだが、その都度あきらかに効率が良くなっていくのがとても面白い。

システムが効率化され、動き自体も慣れていくことでどんどん作業速度が上がっていき、もうすぐ最適化できそうだなっていうところでいつも作業は終わる。

終わろうとする瞬間にはいつも、「もうすぐ終わる!!!!!!」という気持ちと「あーあ、終わっちゃうのか…」という少し残念な気持ちの両方が混ざっている。やる前は「こんな単純労働なんて自分の仕事じゃないしやりたくない」と思うのだけど。
試行を繰り返しながらその場で効率化・高速化していくというのはとても楽しい。


脳を中心とした人間の神経系には、報酬系と呼ばれる系がある。これは、何か欲求が満たされた時に快楽を与える神経系のことだ。
その欲求にも、短期的なもの(例えば、喉の渇きや食欲といった本能的なもの等)と長期的なもの(承認欲求や愛などといった社会的なもの等)がある。

前述の例だと、短期的な報酬(上手く体動かせて、気持ち良いという生理的快感)で行為をドライブさせながら、結果的に長期的な(とまでは言えないかもしれないが)報酬を得ることに繋げることができたと思う。

人が何か行動を起こす時に一番大変なのは、「はじめの一歩」を踏み出すことだ。
上手く心理的障壁を下げて「はじめの一歩」を踏み出すためには、「目に見えて出るできるだけ短期的な成果」レベルまで行為や目標を分解すると良い。一つの目標達成が、次の行為をうみだし、その繰り返しで最終的な目標を達成することができる。


教育には、教育方法のデザインつまり、報酬の与え方のデザインが必要だ。
だから、変化を伴う時間軸をベースとしたデザイン概念(≒動的情報デザイン)というのは、人間の行為を設計するために非常に重要になってくると思っている。
今後は、自分の経験や能力のかなりの部分をそこに注ぎ込んでいきたい。